以前、PS2ゲームをHDD起動にしました。
セットアップして遊んでみると、いくつか不便な点が出てきました。
- 追加でソフトを入れるのが手間
- 旧型のPS2(SCPH-50000)なのでデカくて邪魔
- 導入したOpen PS2 Loader(OPL)が古い
一番のきっかけは以下ですね。
一定周期で上下にズレる・・ pic.twitter.com/TGWxfQ8sEK
— inrash (@inrash) December 21, 2022
TODをPS2+FHDB+OPLで起動した際に画面が一定周期で上下に動く現象。
DVDから起動した際には発生していなかったのでFHDBかOPLが原因なんだろうなと思いつつ・・
購入した旧型のPS2はかなり痛んだモノをベースにしたのでその可能性もあるし・・
ということで今ある機材で同じような環境を構築し、問題の原因を調べてみたいと思うようになりました。
MX4SIO
最新の情報を調べると「MX4SIO」という商品があり、メモリーカードにいれたmicroSDカードからゲームを起動できるようになるらしい。
microSDカードならソフトの入れ替えも簡単、さらに薄型PS2でも使える!ということなのでセットアップしてみることにしました。
参考にしたのは以下のサイト。
- https://codeknowledge.livedoor.blog/archives/16028679.html
- https://note.com/ojigaming/n/n623a70ffd8e5
- https://retro-gamer.jp/?p=18600
必要なもの
まずは薄型PS2。以前購入した「SCPH-70000」で進めます。
ソニー・コンピュータエンタテインメント (2004-11-03T00:00:01Z)
¥9,800 (コレクター商品)
MX4SIO本体。
Acogedor ()
¥1,510
MX4SIOに差すmicroSDカード。互換性の問題があるそうでオススメのキオクシアのものにしました。
KIOXIA (2020-12-19T00:00:01Z)
¥1,780
USBメモリ。使ったのは以下のBuffaloの16GB。そのままだと認識しないのでパーテーションを切りなおす(後述)。
バッファロー (2015-02-19T00:00:01Z)
¥648
メモリーカード。以前買ったものを使います。
WORLD-WEREHOUSE ()
¥524
大まかな流れ
- FreeDVDBootでUSBメモリやメモリーカードにアクセスできる環境を整える
- PS2で使えるようにUSBメモリのパーテーションを切る
- USBメモリからメモリーカードにFreeMCBoot(FMCB)をインストール
- USBメモリからメモリーカードにOPLをコピー
- MX4SIOで使えるようにmicroSDカードをフォーマット
- microSDカードにISO入れる
- PS2でFMCBを起動してMX4SIOに入れたmicroSDカードのゲームを起動する
FreeDVDBoot
ISOをDVDに焼いてPS2で再生すると、uLauncherELFを起動でき、インストール作業ができるようになります。
https://github.com/CTurt/FreeDVDBoot
今回、PS2は薄型なので上記リンク先から「PREBUILT ISOs/All PS2 Slims – English language.iso」をダウンロード、DVD-Rに焼きます。
本体言語をEnglishにしてDVDを読み込ませるとuLauncherELFが起動できました。
PS2でどうこうしたい人はDVDドライブ持ってそうですが、世間一般ではもう持っている人少ないかもしれないですね・・
USBメモリの初期化
用意したUSBメモリは16GBでした。
しかし、認識するフォーマットは FAT になるのでパーテーションを切りなおします。
普通の方法だとパーテーションを削除出来なかったので以下の方法でやりました。
https://qiita.com/ktyubeshi/items/e71dd89722db85081284
コマンドプロンプトから「diskpart」起動。
Microsoft DiskPart バージョン 10.0.19041.964
Copyright (C) Microsoft Corporation.
コンピューター: DESKTOP-VBSP7IL
DISKPART> list disk
ディスク 状態 サイズ 空き ダイナ GPT
### ミック
------------ ------------- ------- ------- --- ---
ディスク 0 オンライン **** GB **** KB
ディスク 1 メディアなし 0 B 0 B
ディスク 2 メディアなし 0 B 0 B
ディスク 3 メディアなし 0 B 0 B
ディスク 4 メディアなし 0 B 0 B
ディスク 5 オンライン 14 GB 0 B
DISKPART> select disk 5
ディスク 5 が選択されました。
DISKPART> list partition
Partition ### Type Size Offset
------------- ------------------ ------- -------
* Partition 1 プライマリ 14 GB 0 B
DISKPART> clean
DiskPart はディスクを正常にクリーンな状態にしました。
その後「ディスクの管理」から「新しいシンプルボリューム」で1024MBを指定して作成。
以下のサイトから「Latest OPL for MC2SIO Setup」をダウンロード。解凍してUSBメモリに入れます。
https://heldergametech.com/shop/ps2/free-mcboot-with-real-magicgate-memory-card/
USBメモリからFMCBをインストール
PS2でFreeDVDBootを再生、uLauncherELFを起動。
スロット1にメモリーカードを差して、USBメモリをPS2に差す。
「mass:(USBメモリ)」の「mass:/FMCB v1.966 Install/FMCBInstaller.elf」を実行。
インストーラが起動したら「Install」。
スロット1のメモリーカードにFreeMCBoot(FMCB)がインストールされる。
完了したら「Exit」で抜ける。
USBメモリからOPLをコピー
再びFreeDVDBootでuLauncherELFを起動。
「mass:/OPL」にカーソルを合わせてR1ボタンでメニューを出してコピー。
「mc0:/」のルートにペースト。
PS2の電源を切り、基本的なセットアップは完了。
FreeDVDBootのディスクを抜いて、USBメモリも抜いてOK。
microSDカードの準備
microSDカードは FAT32 形式にする必要があります。
「ハードディスクフォーマッタ」などでフォーマットします。
https://www.iodata.jp/lib/software/i/1498.htm#Windows%2010
SDカード内に「DVD」「CD」フォルダを作成し、そこにそれぞれのゲームを入れればOK。
私の環境だと30GB転送するのに約30分くらいかかりました。
ただし、4GB以上のISOは下に紹介する手順で対応が必要。
USBUTILで4GB以上のISOを入れる
ISOファイルは4GBまでしか認識してくれないらしく、USBUTILを使うことでISOを分割して管理できるようになります。
下記から「USBUTIL_v2.2_rev1.0_EN+(English).7z」をダウンロード。
https://www.psx-place.com/threads/usbutil-by-iseko.19048/
「File -> Create Game from ISO」でゲームを追加する。
書き出し先はmicroSDカードにしました。かなり時間がかかるので注意。事前にSSD上で作ったものをmicroSDに転送するようにしましたが、結局遅いので最初からmicroSDカードに書き出すほうが楽。
二回目以降は「File -> Open game list[ul.cfg]」を選択してから追加すること。(この ul.cfg が管理ファイルでどの分割ファイルがどのゲームかを認識してくれる)
FreeMCBoot(FMCB)を起動する
PS2のスロット1にFMCBを入れたメモリーカード、スロット2にMX4SIOをセットして起動。
FreeMCBootが起動されます。
このOPLの画面でなかなかゲームリストが表示されないことが何度か。しょうがないのでリセットしてやり直してます。
このブログではいつもテストに使っている「悪代官」が起動できました。
RetroTINK 5X-Pro + “HD Retrovision PlayStation 2 / 3 YPbPr Component Cable” でHDMI化したものをキャプチャしています。
感想
致命的なトラブルもなく、セットアップが出来ました。
DVD、SDカード、HDDでそれぞれロード時間がどのくらい変化するかはいずれ調べてみたいですね。
ロード時間長いPS2のゲームてなんだろう・・
ちなみに「MC2SIO」もこちらのサイトから発注しましたが、到着が年を越しそうだったのでAmazonですぐに入手できるものを選びました。(送料が40ドル近くかかる+ドル換算なので相当高くなるので・・)
一定周期で画面が乱れる問題の解決
きっかけとなった「一定周期で画面が乱れる問題」はOPLの設定でMode2をOnにしたら解決しました。
ていうかそのように書かれてましたね・・
Enable mode 2 to escape annoying image jumping. FMV stutters.
先にOPLの設定を調べれば良かった・・
まあ結果的にディスクレス起動できる環境が増えたので良かったとします!
OPLアップデート(2024.10.22追記)
久々にOPL起動しようと思ったら起動しなかったのでいろいろ調べたところ、OPLが更新されていることを発見。
ということでアップデート作業をします。
- 以下のサイトへアクセス
- 以下のいずれかのファイルをダウンロード
- USBをPCに差し、解凍したファイルをコピー
- USBをPS2に差す
- PS2 uLauncherELF 起動
- 「mass:/********」にカーソルを合わせてR1ボタンでメニューを出してコピー。
- 存在するフォルダの数だけ繰り返す
- 「mc0:/」のルートにペースト。
- 「mass:/********」にカーソルを合わせてR1ボタンでメニューを出してコピー。
- PS2の電源を切り、アップデート作業完了。
更新完了。
「OPL BDM 4.8.1 for MC2SIO」と「OPL BETA V 1.2.0 GitHub」に差し変わった。